『 がまんする力 ( 感情制御力 ) 』 を育てよう
園児のこの頃の様子を見ていると、これから必要な資質として、『 がまんする力 』を育てることが大事なのではないかと感じてきています。自分の思うようにならないとすぐに泣きだし、感情が入り込んで、なかなか泣き止むことができない。感情のコントロールが十分にできていないことが見受けられます。
子どもは成長するにつれて、社会と触れ合う機会が増えていきます。そんな中で必要になってくるのは、自身で感情をコントロールする力、すなわち、感情制御力です。
子どもが生涯を通し、社会の中で健康的に生きていくためのとても大切な感情制御力で、この能力は、実はひとりきりで身につけていけるものではありません。
子どもが感情制御力を獲得していくためには、大人による「感情の社会化」という手助けが必要なのです。
感情制御力とは、状況に応じて、自己主張と自己抑制のふたつを使い分けることができる力のことです。
制御とはつまり、コントロールのことであり、抑制のみのことを指すわけではありません。「楽しいよ! 遊ぼう!」「寂しいよ、抱きしめて!」という主張と、「楽しいけど、今はがまん」「寂しいけど、今はがまん」という抑制のどちらをも、状況を見て適切に判断し、使い分けることこそが、感情のコントロールであるのです。
乳幼児期、幼児期において、これら自己主張と自己抑制は、それぞれ別々に発達していきます。ですが、どちらも目指すところは、誰か他の人の助けを必要としない、自分自身の力による自己のコントロールを可能にする、ということです。
子どもが感情をコントロールするのに必要な、「自分の感情を自覚する」という能力。実は、子どもがこの能力を得ていくためには、養育者である私たち、大人の助けが必要なのです。
大人が正しく『 共感的な言葉 』をかけることで、感情を自覚する能力が養われます。
感情制御力は、言ってみれば社会的な発達のひとつです。そしてこれは、自然に身についていくものではなく、養育によって育まれるものでもあります。
感情を制御するためには、まず、感情を自覚する能力が必要です。自分で自分の感情を正しく理解しなくては、感情をしっかりとコントロールすることはできません。
その感情を自覚する能力を育てるために必要な手助けというのが、すなわち、大人による正しい『 共感的な言葉 』なのです。
何か問題が生じたとき、子どもが感じていると考えられる感情に大人が共感的な言葉をかけることで、子どもの「感情の社会化」が行われます。
感情の社会化とは、何らかのきっかけにより自分の中に生まれた感情エネルギーを、正しい言葉に変換して、自分の外へ発信していくことを指します。これは子どもに限った話ではなく、言葉と言う形で社会化された感情が誰かに共感してもらえたり、受け止めてもらえたりするという経験を重ねていくことで、私たち人間は、感情をコントロールする能力を身につけていくのです。
あらためて、このがまんする力(感情制御力)は、幼児期に大きく成長します。
重要なことに、このがまんする力が高い方が、小学校や中学校で学力が高かったり、友人関係に恵まれたり、大人になったときに健康であったりすることが明らかになってきています。幼稚園では、今の時期にしっかりと育てていきたいと思っています。
園 長 伊 勢 昭

-
先生ブログ
ぐちゅぐちゅ楽しい~!! ひよこさん
-
先生ブログ
ぺったんぺったん おもちつき パート2 全園児
-
先生ブログ
ぺったんぺったん おもちつき パート1 全園児
-
先生ブログ
つぼみちゃんの様子から 未就園児つぼみちゃん
-
先生ブログ
英語あそびの様子から 年少さん・年中さん

2023年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年